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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。

真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。
The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.
フランスの作家 マルセル・プルーストの言葉です。

古墳チェックの旅はそんなに行けませんが、それでもこの秋はかなりの古墳チェックができました。
自分の改めて興味の変遷を記録したいと思います。
箸墓古墳がもっとも好きな古墳には変化はなし
・1年ほど前からその周辺の古墳に興味が移った
  ホケノ山古墳
  纏向の石塚古墳、矢塚古墳、勝山古墳、東田大塚古墳
弥生時代の墳丘墓と古墳時代の古墳の境界に興味が移る
・そうすると前方後円墳よりは前方後方墳の方に興味が移る
・なぜ前方後方墳はその形になったのかに興味が移る
・形の周囲に興味が移り古墳そのものではなく周濠(周りの空溝)に興味が移る
こんな具合です。今は、前方後方墳の周濠を勉強したい状態です。

富山婦中の王塚古墳(前方後方墳)の測量図。

っで冒頭のプルーストの言葉。つくづく今まで見ているようで見ていなかった視点に気づかされます。具体的には、自分の田舎の北陸。
今の自分には宝のような古墳が豊富にあるんです。
 富山氷見の柳田布尾山古墳(前方後方墳107m日本海側最大)
 富山婦中の王塚古墳(前方後方墳58m)
 富山婦中の勅使塚古墳(前方後方墳66m)
 石川鹿島の雨の宮1号墳(前方後方墳65m)
過去のチェックしたことはありましたが、今とは視点が違っていました。
古墳めぐりの旅は、遠いところに行くことでも、奈良に行くだけでもなく、
自分の身近なところに素晴らしい探究欲求を満たしてくれるスポットがあるのですね。

さらに、読み飛ばしてしまっていた本にも、今なら価値のわかる図が。
『古墳と大和政権 古代国家はいかに形成されたか』白石太一郎著 にある古墳の図。

今の自分にはこの図がものすごく貴重で視点そのものを表してくれています。前方部が出来ていく過程を確認するには、古墳の周りの周濠がいかに大事か。この視点を持ってからは、古墳チェック時には必ず周囲に凹みがあるかを確認するようになりました。
古墳チェックPHOTOでも最近は古墳の周りを写したものが多くなっています(笑)。

前方後方墳ではありませんが、大好きな箸墓古墳においても周濠の名残りがあり、墓域として古墳を大きくとらえた時には、新しい視点で旅に出ました。この時は古墳から離れた、田んぼの落ち込みをチェックした旅だったので、傍目からはとても古墳チェックに来ている旅行者とは思えないでしょう。視点を変えるからこそ、何度行ってもまた行きたくなるのでしょうね。

自分の旅は、何度も同じ場所に行くことが本当に多いのですが、発見の旅というのは、まさしくプルーストの言葉通り、チェックした古墳の数に価値があるのではなく新しい視点を持てるか否かだとつくづく思います。