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沼津市 高尾山古墳の取り壊し方針白紙に

沼津市にある高尾山古墳は東日本最大級の前方後方墳であり出土品から最古級で、何と箸墓古墳よりも古いと言われている貴重な古墳です。
ところが、不運なことに都市計画道路のど真ん中にあるのです。
元々道路整備のための調査発掘によりその貴重さが"発見"された訳ですが、沼津市は、一旦道路計画整備計画を白紙にすると8月6日に発表しました。

高尾山古墳についてはこちらで。

画像は沼津市教育委員会より。全長62mで出土物から3世紀前半の可能性が出てます。
周囲には住宅があり、細い道路が古墳を迂回するように曲がっています。

難しい問題ですね。
自分は考古学マニアなのでこの結果を歓迎しますが、周辺の方々にすると予定されていた整備が白紙となるというのは生活への影響は大きいでしょうし。
ただ沼津市内では保存運動が活発化し、さら取り壊し発表が全国区のニュースで報道されてから、全国から反対意見が届いたそうで、この反響により市長は撤回を決断したとのこと。
この決断に元々の計画推進の方々の反対はあるでしょうが、市長の決断を評価したいです。

考古学において、東海、関東の遺跡というのはどちらかというと軽視されています。
特に前方後方墳の扱いが軽視されていて過去にも、愛知県の西上免古墳など貴重な古墳が消えてしまっていて、東海地方の古墳時代の解明が進みづらい状況があります。
この点からも、沼津の高尾山古墳と東海地方の関係などの研究が進めば、近畿とは異なる勢力の状況が明らかになってくるとも考えられます。
まだまだ難しい問題は続きますが、地元に受け入れられる形での保存の方向で進んでもらえるとうれしいです。