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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

奈良マラソンの完走メダル

奈良マラソンから2週間以上経過しました。

ようやくPCのある金沢の自宅似戻り回想しています。
今回はマラソンネタからですが考古学ネタを!

奈良マラソンの完走メダルは、3種の神器がモチーフになっていました。
実はこのメダル事前にデザインを見ることができず、完走してボロボロになりながらかけられて初めて知ることになります。

完走後の達成感でメダルのデザインは正直どうでもよかったですが、手にしてみてニヤリと微笑んでしまいました。
このデザインの鏡、黒塚古墳の三角縁神獣鏡だなとすぐにわかりました。
奈良マラソンのフルへのエントリーは10,000人でした。
10,000人中、何人が黒塚古墳の三角縁神獣鏡とわかったかな?
そして自分の場合は、この古墳が出土した際の現地説明会に駆けてつけているんですね。
おそらく10,000人のランナーで黒塚古墳の現地説明会に参加しているのは自分だけだろうな、と思うと、胸にかけられた完走メダルがすごく重く感じました。

以降は考古学的に三角縁神獣鏡について。
完走メダルの感動からするとさも貴重な鏡のように受け取られますが、黒塚古墳の中では実は扱いは大したことがないのです。
なんと左右合わせて33面も大量の出土したのです。
貴重な鏡が33面も!と数に驚くだけではなく、なんと被葬者の頭部に1枚だけ置かれていたのが画文帯神獣鏡という別の鏡なのです。
三角縁神獣鏡は魏から邪馬台国に贈られた"卑弥呼の鏡"と永らく考えられてきましたが、黒塚古墳でみるその数と扱いはどうみても卑弥呼の鏡とはいえません。

さらに興味深い点が、鏡の向きでした。
黒塚古墳では鏡面を被葬者側に向けていたのです。
鏡面を外向きであれば、被葬者を守る役割をするのだと説明ができたのですが、反対では何の意味?となるのです。
この点に関して、説明が確定している訳ではありませんが、自分としては「祟り」への考え方からすると整合性はとれていると思っています。

被葬者にはよみがえってもらっても、祟ってもらっても困るので、鏡で囲って出れないようにしたのだと。
この辺りは別の機会に。

ともかく完走メダルによって黒塚古墳の思い出が甦りました。
1998年のことなので実に18年前の話題でした。