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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

メスリ山古墳:奈良県桜井市大字高田(2018.12.1)

桜井茶臼山古墳の備忘を終えたのでメスリ山古墳も。

今回もメスリ山古墳の画像として『ヤマトの王墓桜井茶臼山古墳メスリ山古墳』から画像転載させていただきました。


メスリ山古墳の位置関係は桜井茶臼山古墳の際に地図で示しました。こんな感じ。

近そうに見えて桜井茶臼山古墳とは結構離れています。自分がチェックした際は桜井駅からRUNしたので、まずメスリ山古墳へ向かいその後談山神社までの坂路に入って戻りで桜井茶臼山古墳へというルートをとりました。車で移動なら気にならないでしょうけど走って古墳を巡ると水系が違ったりと結構細かな気づきがあった面白いです。

メスリ山古墳は、桜井茶臼山古墳と同じく柄鏡式の前方後円墳で規模は少し大きくなり全長224mということです。そして陵墓参考地外であり古墳に立ち入ることが可能というものすごく魅力的な古墳であります。古墳の流れとして桜井茶臼山古墳からつながる点は墳形から理解できますが特質すべきはこの写真。

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この穴ぼこがすべて円筒埴輪で埋葬施設を膨大な数で、それも巨大な埴輪で囲われていたという事実。復元図がこちら。

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この中の最も大きな埴輪が、高さ2m42cm!!!
橿原考古学研究所の附属博物館(現在改修休館中)には復元された埴輪が展示されています。この埴輪を博物館で最初に見たのが25、6年前。初めて見た時の衝撃は今でも記憶にあります。こんな巨大な埴輪があるなんてと。実は大学時代に入っていた考古学サークルの部室に円筒埴輪が先輩から受け継がれてあったんです(これ今どうなっているのか不明だけど)。その大きさが高さ70cm位で自分の中での円筒埴輪のサイズ感はこの"部室埴輪"が基準になっていたのでその巨大さに本当に驚いたのでした。
そしてこの巨大埴輪が出土したのがメスリ山古墳なのです。
さらに付け加えると、流れにある桜井茶臼山古墳では巨大な埴輪は発見されていません。系譜にありながら、埋葬施設の考え方だけはVer.UPした!?
メスリ山古墳はエポックな何かを有している非常に貴重な古墳なのです。

前振りが長くなりました。実際の古墳の訪問レポへ。
桜井駅から少し走って、住宅街を通り過ぎていくと、程なく見えてきました。
古墳に沿って遊歩道があるので形状がなんとなく分かります。

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説明板はかなり年期入っています。
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古墳内に入っていくと、未整備な巨大古墳なのでよくわからず(苦笑)。

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ただ途中には葺石のような石が数多く見ることができました。

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あまりによくわからないので測量図を転載させていただきます。

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最後に磐余(いわれ)の地について。
どんどん神話時見てきて考古学から離れないように気をつけなくていけませんが、磐余で即思い浮かべるのは、カムヤマトイワレヒコ(神武天皇)。神武天皇はイワレとゆかりがあり、さらに神武東征時にヤマトで戦った際に劣勢を跳ね返すきっかけとなったのが金色のトビと日本書紀に記載があります。どこまでが歴史でどこまでが神話なのかは分かりませんが、桜井茶臼山古墳のある地は外山(とび)でその背後にある山が鳥見山(とみやま)です。
メスリ山古墳も大きくは磐余の地と言え、この2つの古墳への事実は神武天皇の神話に含まれているのか否か?それは分かりません。
ただ日本の歴史の中で王権の宮が気づかれた場所は大きく、磯城(鍵・唐古遺跡から纏向遺跡あたり?)→磐余→飛鳥へと移動していきます。重要な拠点の1つである磐余に築かれた2基の巨大古墳。現地へ赴いてもなかなか形状を堪能することはできませんが、それでもこれだけの巨大古墳に立ち入ることができるという魅力は替えがたい感激があります。

メスリ山古墳
奈良県桜井市大字高田
■全長 224m
■築造時期 4世紀初頭