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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

西都原古墳群第2古墳群 -2-

つづきは第2古墳群の中では端っこの方で見逃しがち?になりそうな81号墳から。

81号墳

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実は81号墳のPHOTOが数枚しか残っておらず、さらに撮影メモも無いものでもしかすると81号墳ではない可能性もあります(汗)。もし違っている場合はご指摘ください。
それでも掲載しておかないといけない理由が81号墳にはあるのです。

●81号墳は数少ない発掘調査された古墳
西都原古墳群の前方後円墳は未調査が多く、第2古墳群の中では、81号墳と100号墳の2基のみとのこと。
●81号墳は最古級の前方後円墳の可能性
2005年の宮崎大学の調査で後円部から土器の編年では布留0式ではないか?という見解が出ました。また土器棺という弥生時代に見られた埋葬形式であることが判明。さらには測量結果より纏向石塚古墳(纏向型前方後円墳)と非常に似ているという見解が出されました。最近では調査を主導された宮崎大学の柳沢先生自身その後の研究によって、もう少し時代は後ろとなり国内最古級とは言えないとと言う整理に落ち着いているようです。ともかく西都原古墳群の中では最古級の古墳であることは確かです。

纒向型前方後円墳や石塚古墳については過去レポを参照ください。
しかし徹底的に西都原古墳群は柄鏡式という先入観、実際に現地で見てみてもこの地方ならではな形状の古墳が並んでいる中、いきなり纒向型が出てくるとなかなか理解が追い付きません。この点は詳細理解を追い込む時はさらに個別で勉強が必要なので今回は割愛します。

 

100号墳
第2古墳群でもう1基発掘調査済の古墳を見てみましょう。100号墳です。

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100号墳は発掘調査後復元整備され、当日の様子を想像できるようになっています。

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発掘調査により、後円部が3段築成、前方部2段築成でこの段差は高円部の2段目が後方部墳頂となることが判明。さらに柄鏡式といっても後方部の端部は最終的に撥型になっているそうです。柄鏡式と撥型が近い関係性にあるのかもという気になります。

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上のイラストは以前に自分が作成したものですが柄鏡式と撥型とはこんなイメージです。奈良桜井市においてもメスリ山古墳桜井茶臼山古墳(柄鏡式)と箸墓古墳(撥型)が近いエリアで築造されていたりしますが、この2つは近い形状なのでしょうかね。
なお説明板によれば、整備は2段階で行われたようです。説明板にある葺石を再現した復元の段階がこちら。

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整備が2段階となり、今現在は盛土した形となっていますが、その経緯等は、西都原発「考古学ノート」という文献内に記載がありました。野外での保存と利用の両立で苦労された様子が記されています。

第2古墳群に関してはこちらで締めとします。