毎年2月下旬、恒例となった陵墓立ち入り調査があります。おそらく今年もあるのでしょうが恒例になるまでは考古学者の大変な苦労がありました。その第一人者が現在は関西大学非常勤講師の今尾文昭氏です。
今尾氏は橿原考古学研究所の研究員として古墳研究に携われてきました。その中で宮内庁との交渉を続け、何と宮内庁の内部規則を変更に成功したのです。
この努力の成果が陵墓立ち入り調査第一弾が
2008年 五社神古墳(神功皇后陵)でした。当時の興奮は過去の備忘に残っていました(以前のblogから)。
それ以降毎年愉しみにしているんですが以下ものすごい古墳が並びます。
2009年 佐紀陵山古墳(日葉酢姫命陵)
2010年 河内大塚山古墳(陵墓参考地・・・っといっても300mオーバーの全国第5位!)
2011年 誉田御廟山古墳(応神天皇陵)
2012年 山田高塚古墳(推古天皇陵) 春日向山古墳(用明天皇陵)
2013年 箸墓古墳(倭迹迹日百襲姫命陵)
2014年 野口王墓古墳(天武・持統天皇陵)
2015年 御廟野古墳(天智天皇陵)
2016年 渋谷向山古墳(景行天皇陵)
2017年 行燈山古墳(崇神天皇陵)
2018年 四条塚山古墳(綏靖天皇陵)
2019年 高屋築山古墳(安閑天皇陵)
よくぞ立ち入り許可が出たものだという古墳が並びます。
今年はおそらく来月2月23日(日)に立ち入り調査が行われると思いますが、どの古墳なのかは全くわかりません。
・・・ここで暇な訳ではありませんが今年の予想をしてみることにしました(笑)。まず上記の歴代調査古墳をGoogleMAP上にプロットしてみます。2015年の御廟野古墳(天智天皇陵)は京都で離れているので地図外となりましたけど、他の歴代古墳はこんな感じです。
細かくて分かりづらいですけど、傾向がつかめます。
・2年続けて関連づいた調査対象になる
2008年2009年 佐紀古墳群
2016年2017年 柳本古墳群
2010年2011年 羽曳野市つながり
2014年2015年は天智-天武-持統と関連強い
・陵墓の中でも天皇陵に治定されている割合高い
このように見えます。
ここからどの古墳がターゲットになっているかわかるか?
大変難しいですが、おそらく百舌鳥古墳群から選定されているのではないかという気がしています。理由は年中行事となった2月の立ち入り調査とは別に、2019年には大仙陵(仁徳陵)の調査が行われました。これが法則に対してイレギュラーですが影響しているのではないかと。
そうすると百舌鳥古墳群では凡そアタリをつけることができます。百舌鳥古墳群のMAPを掲載(堺市博物館さんHPより)。
この中の№6田出井山古墳(反正天皇陵)が今年の古墳ではないかと推測します。ちなみに田出井古墳レポはこちら。
果たして結果はどうなるか?一か月後の愉しみとしたいと思います。