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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

滝大塚古墳:羽咋市(2020.9.21)

能登の古墳と言うと、雨の宮古墳群などが有名ですが、実は規模としてははるかに超える古墳が能登の入口、羽咋市にあります。
滝大塚古墳と言って能登一の宮である気多大社のすぐ近くにある古墳です。

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知名度が無いので場所からまずは見てみましょう。地元では滝港という釣り場や、滝石という石材が採取できるので「滝」という地名は割合知られていますが、古墳があることは地元の方でもあまり認識ないのでは?
気多大社から1km程のバス停裏にその古墳はありました。

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羽咋市の歴史民俗資料館に細かな遺跡の分布図があったので併せて掲載。

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古墳の形状は帆立貝式古墳(もしくは円墳)で、全長は90mと推定されこの墳形としては日本海側最大というのです。もう少し詳細な資料で確認してみましょう。

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帆立貝式古墳とする場合には造出が2つと考え、造出が3つあるすると円墳となる、と言う具合。どちらにしても激レア古墳!?
帆立貝式古墳で造出が1つあるものは、東京世田谷区にある野毛大塚古墳が有名ですが、前方部に隣接するいかにも造出な構造をしているのに対し、滝大塚古墳はまるで三方中円墳と言っても良いか位に三方に広がった特異な形状をしています。

滝大塚古墳について調べるまで知らなかったのですが、隣の福井県にこの激レア形状の古墳が実はありました!免鳥長山古墳群の5号墳が同じ形をしていました。

こちらは測量図がはっきりしている福井県免鳥長山古墳群5号墳。
福井市立郷土歴史博物館さんのサイトより転載。古墳の規模は全長91mと滝大塚古墳とほぼ同じ。f:id:wild-o-blue:20201103145519p:plain

単に激レアと思っていたけれど、もしかすると北陸地域に特徴的な古墳なのでは?単に帆立貝式古墳として整理してはいけないような気になってきました。

話を滝大塚古墳に戻し実施に古墳を眺めてみます。
・・・っと言っても未整備で、立ち入ることもできない状態だったので外観を眺めるしかできませんした。よって造出の有無なども歩いて確認はできません。

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見た限りでは遺跡の看板もなくこの古墳を目的としないと通り過ぎます。

滝大塚古墳、もしかすると大きく歴史の常識を覆す可能性を秘めているかもしれません。三方中円墳という新たな古墳の定義ができるか否か。機会作って福井の免鳥長山古墳群にも行ってこようと思います。