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小田原市で前方後円墳発見

小田原で古い前方後円墳が発見されたというニュースがありました。
PHOTOはヤフーニュースより転載

小田原市には今まで前方後円墳の発見はなかったそうです。
要約すると
小田原市内で初の前方後円墳
・神奈川県内で2番目の古さ
・墳丘部分は削られて消滅しているが周溝から特定
・長さが35メートル、幅が25メートルほど
・底部穿孔土器発見

ちなみに「周」「周」古墳の周りのくぼんだところに対して、2種類の言葉が使われますが、どちらかというと小さい古墳にはで、大きな古墳にはが使われる傾向がありますが、明確な定義の違いはない言葉です。

 

今回の前方後円墳は、想定される墳形だと纒向型前方後円墳の1つと言えるのではないかと思いますが、前方後円墳と確定させるだけでニュース性はあるので一般的な記述としてはここまでとしたんでしょうか。現地説明会があればこの想定図の根拠含めていろいろ聞いてみたい点がたくさん見える古墳です。
ニュースでは東海大学の専門家が特定したという表現になっていました。

これはおそらく東海大学の北條先生じゃないかなと。

北條先生は纒向型前方後円墳研究をなされている方であり今回も、調査情報から、円形周溝墓であるか、前方後円墳と言って良いのかの微妙な判断のところをなされたのではないかと推測します。普通の自治体の教育委員会では判断はできない難度でしょう。

自分の素人判断を好きに書くと、この判断に対して神奈川県で一番古いと言われる海老名市の秋葉山3号墳、この古墳が前方部が破壊されていて半壊した状態でしか残ってない点も比較判断には痛いところです。

そうすると出土した遺物からの判断だけが頼りとなりますが、今回出土している「底部穿孔土器」(わざと底に穴をあけた祭祀用の土器)の編年から2番目とする判断になったんでしょう。ただ編年は相対的なものなのとして、そもそも前方後円墳なのか?円形周溝墓の段階ではないのか?

この点は根拠の見解を聞かないとこのニュースだけでは難しいかなと思いました。現地説明会はいけないので、今後の調査報告書を入手することを忘れないように備忘しておこうと思います。