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源氏物語のつばきもち

Eテレの番組グレーテルのかまどで、2月17日、源氏物語にゆかりと言うつばきもちの回がありました。

つばきもち?
桜餅、柏餅はおなじみだけどつまきもち?源氏物語とどんな関係が?
愉しみに番組を観させていただきました。つばきもちそのものは番組サイトからお借りしました。

つばきの葉っぱで挟んだおもちなんですね。源氏物語のどこに登場するのかというと、三十四帖「若菜上」。光源氏がアラフォーの頃、すべてが想いのままとなる、しかし陰りも見えてくるという微妙な段階が若菜上です。

若菜上では、光源氏の兄朱雀帝の娘、女三宮正室として迎え入れます。それまで実質正室であった紫の上はどんな心境だったでしょう。光源氏藤壺を想い続ける未練から、藤壺の姪にあたる女三宮に面影を期待し25以上も年下の正室を迎え入れるのです。

光源氏としては期待外れな女三宮でしたが、若い公達にとっては憧れであり、とくに柏木は若菜上の後半で女三宮を目撃してしまってその後の人生を狂わせるのです。

源氏物語の説明が長くなりましたが、若菜上後半の若い公達が蹴鞠をした後に、食したのが「つばきもち」ということでした。

番組内の解説では、「つばきもち」にも意味があるとのことで、椿=常緑樹がアラフォーでもう蹴鞠ができない光源氏に対して、若くその後女三宮と関係してしまう柏木たち若者を象徴しているというのです。
なるほど!
つばきもちには光源氏が失ってしまった若さが投影されいるとは!

面白かったのは、和菓子屋さんが登場し、いろんな寺社のオーダーによりつばきの葉っぱを表で挟む場合と裏で挟む場合があるとのこと。つばきの葉っぱは邪気を払うそうで、番組内ではイザナギイザナミの神話が登場しました。

ん?寺社のお供えなのに、由来は神話?ここは番組内では掘り下げることはありませんでしたが、つばきが邪気を払うという意味には変わらない模様。

番組観ながらさらに疑問が。
邪気を払うのになぜ表で挟むおもちと裏で挟むおもちがあるんだろう?
これは今後京都か奈良で行った際に実際に和菓子屋さん巡って確認してこようと思います。ちなみに自分が今現在思いつくのは、古墳に埋葬される鏡の配置。

先日三角縁神獣鏡チョコ作成落選した残念さがもあり頭にあるからかもしれませんが(苦笑)、古墳の中に埋蔵される三角縁神獣鏡は、鏡面が被葬者に向いている場合と外側に向いている場合があります。それは被葬者から放たれる邪気?を封じるという意味と、被葬者を外部からの邪気から守るという意味で配置が違うと言われているのですが、つばきの葉っぱは鏡を似たような意味があるのでは?
(っと気になりつばきもちと三角縁神獣鏡の配置の研究なんてことしている人いるのかなと検索してみましたが出てきませんでした。。。)

今だと上野の東京国立博物館で開催中の『大和と出雲』展に展示されている黒塚古墳の鏡群がまさにこの例として分かりやすいので、つばきもちと比較する人はいないと思いますけど、チェック入れるとより良いかもです。

ともかく予想以上に愉しめる番組に出会えたことに感謝だし、つばきもちをぜひ食べてみたいと思います。