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高尾山古墳保存方針決定

動向が気になっていた沼津市の高尾山古墳の保存計画が決まったようです。

この古墳を訪れたのが4年前。その前から古墳の保存に関して沼津市は揺れていました。一旦は決定した道路計画を沼津市長の英断で再考へ戻し、保存計画をコンペで募るという策に出た、この結果が出たということです。

28日に出された結果は、最終審査として4案が残りその中かから
「ふるさとの風景をつくる『みちにわ』」が選ばれたというもの。
この案は、「古墳をまたぐ橋の横に空中歩廊を取り付け、橋から古墳が見渡せる上、住民に安全な動線を確保した」というものらしいです。提案元はエイト日本技術開発静岡事務所とイー・エー・ユーという企業。静岡の会社さんらしいです。

この提案の素晴らしいところは古墳を保存するだけではなく、道路工事中の施工過程においても重機を古墳区内に置かないというものらしいです。結果だけではなくプロセスとしても古墳保存を提案に盛り込まれた素晴らしさ。実際には今年から測量を始め、22年度に着工に入るということ。

高尾山古墳は4年前に訪問した時にもすでにシートで覆われ損傷を防ぐ手当がなされていましたがそれでもかなり無残な外観を露出していました。少しでも早く保存計画が進んでいただければと思います。

ちなみになぜ高尾山古墳がこれほど重要視かという点については自分の過去の記事も参考にしれもらえればと思いますが、大きな考古学会の論調としては邪馬台国と狗奴国の関係をどう捉えるかに関係します。

邪馬台国畿内とする仮説の場合には、狗奴国をどこに位置づけるか?これを前方後方墳の勢力として東海エリアとする訳です。この場合は邪馬台国の発展形として大和王権がありその象徴が前方後"円"墳、その勢力と対峙した狗奴国の墳形が前方後"方"墳という具合。この整理に立った場合には、高尾山古墳というのは非常に重要な古墳になる訳です。

ちなみに自分は単純に考古学を愉しみたいので、ここに文献史学を無理やりに影響させたり邪馬台国論争を持ち込みたくはないのでブログ内では特に言及はしていませんが、それでも古墳が保存される決定になったというのは思惑はどうあれ良かったと思いたいです。