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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

『古代史から読み解く「日本」のかたち』倉本一宏/里中満智子著

面白い本がありました。
倉本さんと里中さんの連名なので対談本なら買わないつもりでしたが、各テーマにそれぞれが語っている形式だったので購入。
倉本さんは古代史の専門家で『蘇我氏』『藤原氏』と新書は読ませていただきました。専門書は高くて買えなくて。。。
里中さんはご存知の漫画家、『長屋王残照記』は大事に持ってます。ただこの新書はどちらかというと里中さんのもう1つの代表的な歴史漫画『天上の虹』の時代が多く出てくるので、こちらも改めて買おうかなと。

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この新書では、冒頭で里中さんの歴史に興味を持った頃の話があります。中学時代に図書館で歴史の本を読み漁り、歴史を回答として知ったと思ってしまったこと。その後高校へ進学してから歴史の真実に近づく楽しみを知ったこと。
この感覚が自分の歴史への接し方と全く同じでこれだけで読み進める意味になりました(単純ですけど)。
また冒頭の図表の入り方が里中さんの歴史漫画の構成を思わせて、新書にデザイン要素はないと思いつつも、全体の設計に里中さんの意向がかなり入っているなとも推測されます。
倉本さんも含蓄のある言葉を述べられています。
「歴史を学ぶ意味があるとすれば、人間が過去から学ばす、同じ過ちを繰り返す愚かな存在であることを知ることにこそ、存在する」
このような歴史への考え方は新鮮でもっと倉本さんの本読んでみようかなと思ってしまいました(一般的には歴史は繰り返すから学ぶ意味あり的な視点が多いです)。

実は今現在はすべて読み終えておらず、出張移動の時の楽しみとして2/3くらい残っています。ここまでとしては、タイトルは?な印象で、古代史から読み解くという感じではありません。
どちらかというと、人物考へ頁が割かれていて特に、天智天皇天武天皇持統天皇が局面でどう考えていたか?というような歴史を想像する楽しみのところに重点おかれています。
バックボーンとして倉本さんの歴史観が流れているのでエビデンスとしては確かな状態で完全に空想が展開されている訳ではないところは安心できます。

古代史を一通り知識として踏まえて、その上で里中さんの漫画も読んでいると親近感の持てる1冊になると思います。残りを移動の新幹線の中でゆっくり楽しみます。