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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

墓碑銘調査というアプローチ

今年後半に読んだ本に「聖徳太子の謎を解く」山川元志著があります。

タイトルはすごく陳腐(失礼!)ながら、この切り口は驚くべきもので、被葬者がわからない古墳に誰が葬られているか知る手法として、墓碑銘という従来の考古学にはないアプローチから導くというもの。

通常日本考古学では、奈良時代以前には墓に墓碑は存在しないというのが定説です。
発掘調査でしか事実解明はできないとされていながら、実際には天皇陵は立ち入り禁止、他大部分の古墳は盗掘済と、とにかく誰の墓かを比定するのが大変難儀な状態にあります。

それが、「墓碑銘が実はあったんだよ」なんて言われてしまうと長年考古学に素人ながらすり寄ってきた身としては衝撃です。

たとえば表題PHOTOの蘇我馬子の墓ではないかと言われている石舞台古墳の場合。池田氏のサイトには文字が浮かび上がった画像が公開されていました。

後日追加:実はその後池田氏が亡くなられしばらくしてからサイトは閉鎖されました。私自身当時興味があり、ご親戚の方にコンタクトを取りまして事実を知りました。ご冥福をお祈りします。

このサイトは山川さんが発刊する際に参考にされた、実際に墓碑銘調査を行された池田仁三氏のサイトです。この墓碑銘調査は今から20年近く前に実施されていたということですが学会は動いておらず有益に活用は全くされていません。

池田氏のサイトで墓碑銘が解明されている古墳に関しては、奈良エリアは100%チェック済なんですが、この情報を得たからには、自分でも画像解析を試みるために、もう一度徹底的に古墳画像を撮りに行かなくてはなりません。来年の目標ができ良い情報との出会いでした。