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サブ3.5ランナーのマラソン記録、古墳を楽しもCHANNEL!で伝えきれないこと

箸墓古墳(2013.11.04)

何度この古墳を見に来たことでしょう。。。
おそらくそんなマニアの方はたくさんいるんでしょうね。
自分も箸墓古墳に魅せられた一人です。

箸墓古墳纒向遺跡の箸中古墳群に属する大型古墳です。箸中古墳群の他の古墳からとび抜けた大型の前方後円墳であり、他がホタテ貝状の形状であるのに、後円部が大きくバチ状であるところも、他を圧倒しています。
何よりも、卑弥呼の墓ではないかという話題性から考古学ファンだけではなく認知度が高い古墳です。
宮内庁は、第7代孝霊天皇の皇女、倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)に比定しています。
ちなみに百襲姫命は大物主命の妻となるが、大物主命が蛇であると知り、驚いて尻もちをついたところで陰部を箸で突き亡くなったとされています。

前方後円墳の中で最古といわれる箸墓古墳の魅力の1つに、神話(伝説)の世界と考古学のつながりがあります。
大物主命は大国主命の別名で、大国主命と言えば出雲大社
百襲姫命の同母弟には、岡山の吉備津神社吉備津彦神社に祀られている吉備津彦命がいて、百襲姫命が吉備と関係が深いことが想定されます。また出雲と吉備は密接な交流があった地域と言われていて百襲姫命の伝説は全く架空であるとは言えない模様です。
さらに箸墓古墳からの出土物に吉備の特徴が見られるという考古学的なエビデンスも出てきました。
箸墓古墳は陵墓指定により立ち入りが禁止されているので、詳細調査はできませんが、過去自然災害時の倒木撤去時に、偶然多数の出土物が発見されていて、この遺物は吉備との関係が非常に深いそうです。
岡山県には、箸墓古墳の設計を1/2に縮小した浦間茶臼山古墳、1/3に縮小した網浜茶臼山古墳が存在します。吉備と纒向とが非常に密接な関係であったことは間違いないようですね。

国土交通省国土画像情報 昭和49年度画像

箸墓古墳の面白い画像を見つけました。国土交通省のサイトに昭和49年の航空画像がありました。田んぼに囲まれていて私が最初に赴いた頃にすでにあった保育園も、この頃はなかったんですねぇ。この時代の箸墓古墳を見たかったものです。

◎箸墓再考プロジェクト

2014年は桜井市埋蔵文化財センターにより"箸墓再考プロジェクト"が企画されています。
特別展の期間は 2014年1月16日~3月23日まで、さらにシンポジウムが3月16日に開催される予定となっています。
ぜひとも参加したいのですが、スケジュールが・・・。
おそらく現時点での最新の箸墓情報が集結しているはずなので、特別展には何とか赴きたいです(後日談:しっかり赴くことができました!)。
ちなみに、このプロジェクトの1つとして「箸墓古墳のある風景」というフォトコンテントが開催されており、こちらには提出させてもらいました。一応プロジェクトに参加はしたということで!

◎5段築という特殊性
立ち入り禁止の古墳の構造が明らかになったのは、2012年の橿原考古学研究所による3D画像の公開でした。
立ち入り禁止である箸墓古墳が赤裸々になったのですからこの衝撃はものすごいものでした。
そして改めてこの古墳の美しさを再確認したという感じでしょうか。
橿原考古学研究所サイトより画像

報告書によると「・・・箸墓古墳は、後円部(円丘部を含む)が5段の墳丘からなり、前方部が前面ばかりでなく、側面にも段築を有し、3段になる可能性が高くなった。また時期は特定できないが後円部頂部の円丘を囲む環状の高まりを存在することも確認できた」とあります。ちなみに5段の墳丘というのは非常にレアで、同調査書で同じく立体図が公開された天理市西殿塚古墳が4段かもしくは5段になる可能性があるだけです。ただし、立体地図調査が他の古墳でも進めば、違う発見もあるかもしれません。

◎墓碑銘調査
いよいよ2013年の本命墓碑銘について!
墓碑銘情報は、池田氏の著書より入手ができるので、ここを便りに事前準備を進めました。
しかし、現地に到着し、池田氏の足跡通り、まずは箸中のバス停に。
バス停から少し戻ったとところに、民家は確かにあるのですが、それらしい石を発見することができず。
かなり大きな石であるはずなので、これが見つけられないというのは・・・と、小雨の中を落ち込みながら著書を再度確認すると、後半に干上がった池の中で発見した石も墓碑石であり、それは、池の改修記念碑になっていると書いてあります。
記念碑は2つあり、一方は新しく、池田氏の言うところの墓碑石はどちらかはすぐにわかりました。
それがこちらです。

う~ん、今まで気にもしなかった記念碑が墓碑石だったなんて!
残念ながら、文字があったであろう平坦な面には、立派な文字が彫られていました。
池田氏にはこの状態でも文字が見えたものかどうかをぜひ確認したかったです。
ともかく、側面も含めて画像は十分に撮ってきましたが、あいにくの天候で画像解析には適さない状態と思われますので、再びチャレンジかなと思っています。とはいうものの、何となく側面の右には、何かありそうな気配はありますが。

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箸墓古墳という多くの考古学マニアを惹きつけ続ける古墳がいつまでも今の状態で残ってほしいものですが、昭和49年の航空画像と現在では、約40年の間にかなりの変化が起こっていますので、あと数十年でどうなっていることやら・・・。

箸墓古墳
■場所 奈良県桜井市箸中
■形状 前方後円墳
■規模 278m
■築造時期 3世紀中頃